世界の陸上競技から地域のかけっこ教室まで......

p6

キミはもっと速く走れる!

足が速くなる12のチェックポイント

Check1 つま先を、真っすぐ前に向けているか? カラダ全体を正面に向けよう
走る時に、つま先を真っすぐ前に向けているだろうか?前へ進むのだから、これは走りの基本なのだが、できていない人が結構多い。ガニ股だったり、内股だったりすると、カラダ全体が正面を向きにくくなる。逆に、つま先を進行方向に向けると自然に胸も腰もヒザも正面を向き、左右へ揺れずに走れる。足のつま先が真っすぐ前に向けられているかを、まずチェックしてみよう。

走るとは、前へ移動すること。ならば、移動しやすい形を走り始める前につくっておく必要がある。その最初のステップがつま先を正面に向けることだ

Check2 腕は前後に真っすぐ振っているか? 上下、左右に振るとカラダが揺れてしまう
足のつま先を真っすぐ前に向けたら、次は腕を振る方向をチェックしてみよう。腕は、左右や上下でははなく、前後にしっかりと振りたい。腕を左右に振ってしまうと、カラダが揺れて効率よく前へ進むことができないが、前後に大きく振れば、その動きが、そのままスピードにつながる。手を極端に前に出すのではなく、むしろ、腕を引く感じで行うと、真っすぐに振ることができる。

拳を握るよりも、手のひらを開いた方が腕は真っすぐに振りやすい。チョップを打つときのような手の形にして、腕を振って走ると、上半身のりきみを取ることもできる。

Check3 上半身を起こし、胸を張っているか? 姿勢をよくしよう
背中を丸めて走っていないだろうか?速く走ろうとして、りきんでしまうと知らずしらずのうちに姿勢が悪くなってしまう。これでは速く走ることはできない。走る時には、必ず上半身を起こし、胸を張るクセをつけよう。

運動会の徒競走の時、スタートラインに立った自分の腕とゴールテープを、イメージして線でつないでみよう。その線に引っ張られるイメージで走ると上手にカラダを動かせる。

Check4 カラダのアクセルをうまく使えているか? 意識すべきは太ももの裏側の筋肉である
走った後、太ももの前の部分に張りを感じたことはないだろうか?もし太ももの前の部分に強い張りを感じるならば、それは、ブレーキをかけながら走っていたことになる。先に足を前に出して、その足に体重をかけるようにして動いていては、速く進むことはできない。腰を前へだし、その動きに引っ張られるようにして足を踏み出してこそスピードを落とさず無理なく前へ進めるのだ。使うべきは、太ももの前の部分ではなく、アクセルの役割をしてくれる太ももの裏側の筋肉である。

カラダの「前の部分にかかる力はブレーキ」、「裏側の部分にかかる力がアクセル」と考えると分かりやすい。背中の動きを上手に生かして走るとスムーズに前へ進める。そのため必要なのは「正しい姿勢」だ。

Check5 リッラクスして走れているか? 笑いながら走ってみよう
「よし、1等になるぞ」「速くはしるぞ」と思うと、どうしてもカラダにりきみが生じてしまう。カラダの動きから柔軟性が失われ、速く前へ進むことができない。そんな人は一度、笑いながら走ってみよう。笑うといっても、ガハハッと大笑いするわけだはなく、表情に笑みを浮かべながら走ってみるのだ。すると自然に肩の力が抜け、リラックスした動きができるようになる。

無理に笑おうとしてもリラックスできない。逆に余計に、りきんでしまうこともある。最近、おもしろいと感じて笑ってしまった時のことを思い出しながら走ってみよう。

Check6 りきまずスタートできているか? スタート前に深呼吸をしてみよう
カラダに力を込めることは結構、簡単にできる。だが逆に、カラダから力を抜くのは意外に難しい。運動会や体育祭でスタートラインに立つ時は、どうしても緊張してしまう。するとカラダが自然にりきんでしまうのだ。りきむと力が入っている感じはあるが、カラダがスムーズには動けず、よって速く走れない。

「思いっきり力を入れて抜く」「大きく深呼吸する」・・・・どちらの方法がリラックスしやすいか、両方試してみよう。りきみが取れれば、カラダが軽く感じ動きやすくなる。また気持ちも落ち着く。

Check7 腹筋に上手に力を込めているか? へその下にある『丹田』を意識してみよう
足の力だけではなく体幹を使って走るには、腹筋に上手に力を込める必要がある。腹筋に力がこもっていれば正しい姿勢が保て、そのことがスムーズに前へ進むことにつながるのだ。では、腹筋に力を込めるとは、具体的にどの部分を意識すればよいのだろうか?それは、へその下にある「丹田」と呼ばれる部分である。丹田を指で押さえながらやってみると、上手に力を込めることができる。

腹部に力が込められていて、肩腕、足からは力が抜けている。その状態が走るにはもっとも望ましい。走る時に、腹筋を意識してみよう。

Check8 カラダを上手に前傾させて走れているか? 前へ前へと乗り込むクセをつける
速く走るためには「バランスを崩す」これを恐れてはいけない。安定感を求めて走ろうとして、腰を落としている人が多くいるが、それは効率よく前へ進めないのだ。前へ前へとカラダを乗り込ませるクセをつけよう。真っすぐ立った状態から、ヒザや背中を曲げずにカラダを前に倒していき、バランスを崩して、そのまま走り出すのだ。バランスを崩した状態に慣れた時、速さが身についているはずだ。

腹筋に力を込めて、肩や腕の力を抜いたリラックスした状態から、カラダを棒状にして前に倒していく。なだらかな下り坂で行うと、前へ前へ乗り込む感覚が、よりつかみやすい。

Check9 全力を出せているか? カラダを大きく動かそう
細かなカラダの動かし方を知る前に、まずは、つねに全力を出すクセをつけたい。自分の持っている力を100%出し切らなければ、速く走れないからだ。大事な場面で全力を出すのは当たり前のことだが、これが結構、難しかったりもする。普段から全力を出していないと、いざという時に、自分の持つ力のすべてを出し切ることができないのだ。はずかしがらずにカラダを大きく動かして全力で走ってみよう。

「全力を出す」=「疲れる」というのは大間違い。何も長い距離を走る必要はない。30㍍でも20㍍でもよいから全力で駆けてみよう。「全力をだす」=「気持ちいい」と感じられるはずだ。

Check10 しっかりと地面を踏めているか? スキップから走ってみる
地面に足裏で力を加え、その時に地面からはねかえってくる力を利用して前へ進む・・・これが「走り」である。足を速く動かすことも大切だが、そのこと以上に、しっかりと地面を踏むことが、速く走るためには必要なのだ。スキップをやってみよう。リズム感よく前へ進むため、スキップの際は、しっかりと地面を踏むことになる。まず、足の踏み込みを確認し、うまく弾んだところで、そのまま走りにつなげてみよう。

あまり深く考えずに、4、5回スキップをして、そのまま全力で走ってみよう。これを繰り返して行ううちに、自然に地面に大きな力を加える足の踏み込みができるようになる。

Check11 上半身と下半身を一緒に動かしているか? 動物歩きをやってみよう
ライオンも、虎も、ピューマもそうだが、四本足の野生動物は走るのが速い。野生動物をまねて動いてみよう。人間は実際には二本の足を地面につけて走るのだが、カラダの動きは野生動物と同じになることが望ましい。つまりは、上半身の動き(腕振り)と、下半身の動き(足の回転)を連動させる必要があるのだ。実際に這うようにして歩いてみると、そのことがカラダで理解できる。

手の動きと足の動きがバラバラになっていてはうまく前へ進めない。手の動きに合わせて足を動かしてみよう。その時に背中の筋肉の動きを感じることができれば「◎」である。

Check12 カラダのバネが使えているか? 全身バウンディングをやってみよう
走る時には、地面に力を加え、そのことによって、はねかえってくる力をもらって弾み、前へと進む。その弾む感覚をカラダで覚えることができれば、走りの質が大きく変わる。パートナーに後ろから肩を下に押してもらい、カラダを弾ませてみよう。この弾む感覚をつかむことができれば、必要以上にヒザを曲げず、腰がおちてしまうこともなく軽快に走ることができるようになる

実際に走る時も、前に振り出した足を地面につける時、ヒザを曲げないようにしよう。そうすることで人間は弾むことができる。この感覚を味わえた時、あなたの走りが大きく変わる。

Check12+1 音楽を聴きながら走ってみよう ビートランニングのススメ
弾む感覚を得ることができない、また、手と足の動きがバラバラになってしまい、リズムが作れずドタバタしてしまう・・・そんな人は一度、軽快な曲(たとえばヒップポップ)を聴きながら走ってみよう。いま、「ビートランニング」が関東地方の中学生を中心に注目を集めている。この練習方法は、足の着地をビートに合わせることが、大きなポイントとなっているのだが、まずは、深くは考えず曲に乗って弾んで走ってみよう。これまで得られていなかった、リズミカルな走りを実現したい。

走る時に流す曲は、ヒップポップ系のビートの効いたアップテンポなものを選ぼう。演歌やフォークソングのようなに沈みのあるビートでは、カラダを弾ませるのが難しい

どうして足が速い人と遅い人がいるのか?

Chapter1 世界で一番、速く走る人 ウサイン・ボルト(ジャマイカ)画像の説明
世界で一番足が速いのは、ジャマイカ出身のウサイン・ボルト選手だ。2009年8月ドイツ・ベルリンで開かれた『世界陸上競技選手権大会』において、100㍍「9秒58」、200㍍「19秒19」で走り抜けた。これは、いずれも世界記録である。かつては、カラダの大き過ぎる(190㎝以上の)者は動きが鈍いと言われた。だがボルト選手は身長196㎝、体重95kg。彼は、陸上競技会の常識をくつがえしたのである。
Chapter2 日本で一番、速く走った人 伊東浩司
&show(): File not found: "yjimage.jpeg" at page "p6";
100㍍を一番速く駆け抜けた日本人は、伊東浩司選手だ。1998年12月、タイの首都バンコクで開かれた『アジア陸上競技選手権』で100㍍を「10秒00」のタイムで走っている。これはそれまでに自身と朝原宣治選手が達成していた「10秒08」を塗りかえての日本記録。それから十余年・・・多くの選手が、この記録に挑んできたが、伊東選手のタイムを上回る日本人は出現していない。10秒の壁が破られるのはいつの日か・・・。
Chapter3 足だけを動かすのではない!『走り』のしくみ
「足が速い」「足が遅い」と表現される。だからかもしれないが「走る」というと動かすべきは足だと思われがちだが、そうではない。実際の動きの中では、足の裏を地面につけているのだから、足の動きも大切・・・。それでも走る時に意識をおくべきは体幹部なのである。足で走ることを意識すると、太ももの前の部分に力が入ってしまう。そうではなく、腰をグイグイと前に押し出す意識で走ってこそ、全身の力を生かして速く前へ進めるのだ。

胸を張った姿勢で、体幹部・・・つまりは骨盤のある腰の部分を前へ前へと押し出す動きでトップランナー達は走っている。速く走るために必要なのは、太ももの筋肉ではなく腹筋である。

Chapter4 いかにして効率よく前に進むか・・・・『正しい走り方を』を知ろう
「ももを高く上げる」こと、「しっかりと地面を蹴る」ことが速く走るためには大切だと長い間、言われていた。でも、それは間違いだった。実際には、ももを高く上げても、地面を強く蹴っても速くは走れない。カラダを真っすぐ前方に向け、手先、足先に力を込めずに、腰でグイグイと押していく感じで動いてこそ、速く走ることができるのだ。足の速いトップアスリートたちは皆、足の力だけに頼るのではなく、体幹の力としなやかさを上手に使って走っている。

「走る」という動作は、足だけを動かせばよいのではない。太ももやふくらはぎの筋肉以上に、正しい姿勢、リラックスした状態、そして腹筋の強さが求められる。

Chapter5 カラダを前へ乗り込ませてみよう 『足の速い人』と『足の遅い人』の違いは?
「足の速い人」と「足の遅い人」の違いは、走りのフォームに表れる。「足の速い人」は、正しい走り方を先天的に身につけていることが多く、逆に「足の遅い人」は正しい走り方ができていない。まず大切なのは姿勢、そして足の力だけに頼るのではなく、腰をグイグイと前に進める意識で走ること。正しい走り方を身につければ必ず、いまよりも速く走れるようになる。

背筋を伸ばして立ち、頭の位置を動かさないよう心がけよう。視線は真っすぐ前方に向ける。その姿勢のまま走れば、自然に正しい走り方に近づく。下を向くと背中が丸まってしまうので注意!

Chapter6 『正しい走り方』を身につけるために まずは、しっかりと立とう
まずは「正しい姿勢」で立つことが大切。猫背になっていたり、背中を反らし過ぎたりしていると効率よくカラダを前へ進めることができない。地面に対して真っすぐに立ち、視線を前方に向け、リラックスした状態で胸を張る。これが「正しい姿勢」だ。足の速い人は、必ず「正しい姿勢」を保っている。

りきむ必要はない。胸を張る時、肩に力を入れ過ぎないようにする。うまきできない時は腹筋に力を込めてみる。すると肩から不必要な力がスーッと抜けていく。

Chapter7 全力を出さなければ、速く走れない 『大きくカラダを動かす』ことが大切
元プロ野球選手で盗塁王に3度輝いた俊足の赤星憲広さんは、子どもの頃、カール・ルイス選手の動きをまねて走っていたそうだ。腕を力強く振って、できる限り大股で走る。そうしているうちに、カラダをうまく前へ進める感覚をつかんでいった。足の速い人は皆、カラダを大きく動かすことができ、同時に躍動感を身につけている。

「全力を出す」ことができなければ、速くは走れない。また普段から「全力を出す」クセをつけておかないと、いざという時、カラダに力がみなぎらない、はずがしがっていてはいけない。

Chapter8肩の力を抜いてカラダから『りきみ』をなくす スタートの上手な仕方 
30㍍、50㍍、100㍍といった短い距離を走る時は、特にスタートをうまく切ることが重要になる。わずか数秒、数十秒で勝負が決まるのだから、スタートで出遅れると断然、不利になってしまう。スタートを告げる合図音(ピストル音)に速く反応することが大切だが、そのためににはカラダをリラックスした状態にしておくことが求められる。肩に力が入っていると、動き出しが遅れてしまう。

りきんで肩に力が入っていると感じたれ、一度大きく呼吸をして、その後に腹筋に力を込め、笑顔を浮かべてみよう。これだけで肩の力が抜けてリラックスした正しい姿勢がつくれる。

Chapter9 カラダは走る方向に真っすぐに向け 腕は左右ではなく前後に振る!
顔、胸、ひざ、つま先を正面に向ける。その上で腕を前後に大きく振る動きができてこそ速く走ることが可能になる。間違えてはいけないのは腕を振る方向。前後ではなく左右に振ると胴体が揺れて効率よく前へ進めなくなってしまう。走りは、足だけで行う動きではない。しっかりと前後に腕を振ることによって生じるエネルギーも利用して前へ進むのである。

腕を前後に真っすぐ振るために必要なのは、まず肩の力を抜いてリラックスすること。そして、こぶしを握りよりも、てのひらを開いた方が左右ではなく前後に腕を振りやすい。

Chapter10 わずかに上半身を傾けよう 骨盤を前傾させる!
速く走るためには、カラダを前へ前へと移動させていく意識を持つことが求められる。そのために足の速い人は、骨盤を前傾させて、カラダをわずかに前方へ傾けて走っている。背筋を伸ばして真っすぐに立った姿勢で、上半身は動かさずに、お尻だけを少し後ろに突き出してみよう。すると自然に骨盤が前へと傾き、カラダが前へ進みやすい状態になる。

体内で骨盤を動かすわけではない。姿勢を正して、骨盤を前に傾かせた意識をもつことが大切。腰の部分をクニャっと曲げてしまうと骨盤が後継し、うまく前に進むことができない。

Chapter11 手先、足先に力を込める必要はない 腰を押し出す意識を持って走る
腰回りの筋力が強い。その上でひじよりも先、ひざよりも先の部分はほっそりとしている。サラブレッド(競走馬)と同じだが、これが速く走る理想的なボディ・デザインである。だが、そうでない人もガッカリする必要はない。人間の体系は動きを意識する中で変わっていくのだ。足先の力を走って走るのではない。必要なのは体幹の筋肉、そして腰を前に乗り込ませるように動かす意識なのである。

「走る」と考えると、どしても足の動きが気になってしまう。ならば、「移動する」と意識してみよう。カラダ全体で移動するには、重さをともなう体幹部を効率よく動かさなければならない。

Chapter12 無理にももを高く上げる必要はない 大切なのはヒザの伸びと股関節の動き
速く走るためには、ももを高く上げなければいけないと以前は言われていた。そのため「もも上げ」というトレーニングが多く行われていた。しかし実際には、ももを高く上げる動きをしても速く走ることはできない。大切なのは股関節を柔らかくしてひざを前へ振り出すこと。上下の動きが求められるのではない。前へ前へと進む意識と動きこそが速く走るためには大切なのだ。

ももを上げることよりも、地面をしっかりと真上から踏むことに注意しておこう。踏んだ地面からの反発を利用して前へ進むのだ。その際にひざを上げ過ぎずに、しっかりと前に出すと効率よく前進できる。

Chapter13 必要以上に蹴り込まないことが大切 後ろに足を流さないようにする
地面を力強く踏み、蹴ることを繰り返すことで人間は走る。地面を強く踏む、すると反発力が生まれ、そのエネルギーでカラダを前へ前へと動かしているのである。しかし、必要以上に地面を強く蹴る必要はない。蹴り込み過ぎると足が後ろへ流れてしまい、速く前へ進めなくなってしまうからだ。足の速い人は、蹴り足のひざを伸ばしきっていない。地面に足を置く時間を、できる限り短くしている。

強く地面を蹴ると、力強さを感じることができ、速く走っているような錯覚におちいる。だが、それは、りきんでいるだけで速く前へ進めてはいない。地面を踏んだら、蹴ることよりも逆の足を前へ出すことを意識しておこう。

Chapter14 上半身を押し出してフィニッシュ! ゴールラインは胸で切る!
運動会の徒競走ではゴールテープが張られるが、オリンピックや世界選手権大会ではゴールテープが用いられることはない。それでも、ゴールする瞬間の正しいカラダの動きは同じである。ラストこそ力を力を力を振り絞ろう。トップアスリートたちは、ゴール直前でつまづくくらいカラダを前へと傾けている。同じように最後は、上半身を押し出すようにして胸でテープを切ってフィニッシュしよう。

50㍍を走るには「50㍍だけを走る」と考えてはいけない。その距離だけを走ろうとすると、ゴール前で失速してしまう。もう少し先まで走るつもりでスピードを落とさずゴールを駆け抜けよう。

速く走るための15のかんたんトレーニング

Training1 大きなボールを投げる
まずは細かな技術を覚える前に、体幹(胴体部分)を使ってカラダを大きく動かすクセをつけておきたい。これは、すべてのスポーツの基本であり、速く走るためにも欠かせないこと。足の力だけで走るのではない。腕振りも、単に腕だけを動かせばよいのではない。体幹を中心に大きく動いてこそ速く走れるのだ。大きなエアボールを投げてみよう。野球の小さなボールを投げる時と違い、体幹の力を使わないと上手に投げることはできない。

普段から体幹を中心にカラダを動かすクセをつけたい。たとえば、すわっていて、少し離れたところにあるモノを取る時、腕だけを伸ばすのではなく、体幹から乗り出すように動いてみよう

Training2 力を入れる箇所を確認する
速く走るためには、足を速く回転させる必要もあるが、その前に姿勢をよくすることが大切である。胸を張り背すじを伸ばして動かないと、効率よく足を前へ運ぶことができない。では、どのようにすれば姿勢をよくできるのか?答えは、腹部にうまく力を込めることである。力を込める箇所は足でもなければ腕でもない。腹部に意識を置くと姿勢よく立つことができる。

腹部に力を込めるといっても、お腹を凹ますような姿勢をつくるのではない。へそから3㎝ほど下にある丹田と呼ばれる部分に、わずかに力を込める。するとリラックスした正しい姿勢がつくれる。

Training3 ヒザを真っすぐ前に曲げる
走る時は、ヒザを真っすぐに進行方向に曲げるようにしたい。自分では真っすぐに前へまげているつもりでも、意外にできていない人が多いのだ。スクワットで、ヒザを真っすぐに曲げるクセをつけよう。速く走るためには、前方に力をかけることが大切。左右への動きはできる限り少ない方がよい。また、ヒザを真っすぐに前に曲げていないと、ケガをすることにもつながるので注意したい。

簡単な運動なので一日に一回、鏡の前でやってみよう。この時に、大切なのは絶対に背中を丸めないこと。悪い姿勢で行うと逆に腰を落とすクセがついてしまう。

Training4 軸をつくるシーソー運動
速く走るためには、カラダを中心に軸をつくることが求められる。その軸をシーソー運動を行うことで感じてみよう。両サイドに大人に立ってもらい、シーソーの動きのようにカラダを前後に倒してみるのだ。カラダを大人に支えてもらい、そこから押し返してもらうのだが、この時、ヒザを曲げたり、腰をフニャッとしてはいけない。カラダを一本の棒と化すことで、カラダの中心に軸をつくることができる。

不安がらずに支えてくれる人を信じて、カラダを真っすぐに伸ばして倒れてみよう。リラックスして腹筋にわずかに力を込めると、正しい姿勢をるくりやすい。

Training5 階段昇りで『体幹での移動を』覚える
大きく足を開いて階段を昇ってみよう。この時に大切なのは、背すじを真っすぐに伸ばすこと。そしておしりの筋肉を使うことを意識したい。背中を丸めた姿勢で行うと、思いっきり足に力が入ってしまい、これでは体幹を生かした動きができない。「よっこらしょ」と声を出すのではなく、「スッ!」と息をはきながら軽やかに昇ってみよう。

この動きは普段の生活の中でも行える。階段を昇る時には、常に姿勢をよくして、おしりの力を使うことを意識してみよう。

Training6 腰を押し出して前進する
腰をグイグイと前に押し出すように走りたい。でも、どうしても腰が落ちてしまう。そんな人は、腰に手を当てて、押し出す動きで歩いてみよう。振り上げた足を地面に着地させてから腰を前に出すのではなく、足を振り上げた瞬間に手で腰をグイッと前へ押し出すのだ。何度も繰り返して、カラダにクセをつけさせよう。

自分ひとりで行うのが難しければ、誰かに腰を押してもらいながら歩いてみてもよい。背すじを伸ばしておけば上手に動けるはず。

Training7 太ももの裏側を意識して歩く
太ももの前部分に力を込めると「ブレーキ」がかかり、裏側に力を込めると「アクセル」の役割が果たせることを知っておこう。走り込んだ後に、太ももの前部分に強い張りを感じる人は少なくないが、それは「ブレーキ」をかけながら動いていることになり、速く走ることはできない。太ももの裏側の筋肉を使うことを普段から意識したい。

太ももの裏側の筋肉を意識しながら歩く(走る)と自然に姿勢がよくなる。逆に太ももの前部分に力を込めると腰が落ちて背中が丸まってしまう。

Training8 腕をリズミカルに振る
「この子は動きにリズム感がある」「この子はリズム感がない」・・・そんな風に言われる。では、リズム感とは何か?簡単に言えば上半身と下半身がつながりを持って動いていることである。走る際に、そのリズムを刻むのは、腕振りだ。腕をしっかりと前後に振ることができれば、意識を足ではなく体幹におくこともでき、カラダを効率よく前へ進められる。

あまり難しく考える必要はない。最初は、横ではなく前後に、そして大きく腕を振ることを心がけて動いてみよう。

Training9 『もも上げ』ではなく『足踏み』
「もも上げ」と呼ばれるトレーニングがある。だが、ももを高く上げても速く走ることはできない。そのこと以上に大切なのは、しっかりと地面を踏むことである。「もも上げ」のトレーニングと形は似ているが、その動きを地面を踏むことに意識をおいてやってみよう。真上からしっかりと地面を踏むことで、そこから反発力が生じ、速く前へと進めるようになる。

踏み込んだ足は素早く引き上げよう。足が地面についている時間が短ければ短いほど速く走ることができる。

Training10 肩甲骨を動かす
NBA(全米プロバスケットボール)の歴代トッププレーヤーといわれているのは、すでに引退しているマイケル・ジョーダン選手だろう。その特徴的な素早い動きは、肩甲骨の優れた動きに秘密があったと言われている。腕を振った時に上手に肩甲骨を動かすことができれば、それが腰、足へと伝わり、速く走れるようになるのだ。真っすぐに姿勢よく立って肩甲骨を動かしてみよう。

最初は寄せて離しての動きをやってみよう。つねに肩甲骨の動きを意識していると、いつしか、この骨をグルグルと回せるようになる。そうなった時、あなたの運動能力は大きく開花している。

Training11 背中の動きを下半身に伝える
速く走るためには、背中を上手に動かすことがとても大切だ。なぜならば、背中はアクセルの動きをしているからである。走る時には腕を振るが、それによって背中が動き、そこで生じたエネルギーが腰、足へと伝わっている。《腕を振る》⇒《背中が動く》⇒《腰を押し出す》・・・この連動をカラダにおぼえ込ませよう。

「腕の動き」と「足の動き」がバラバラになっていては、速く前へ進めない。この2つの動きをつなぐのが「背中の動き」なのである。

Training12 足を振り上げる感覚を覚える
足をできるだけ高く振り上げてみよう。速く走るためには股関節の柔軟性も必要である。背筋を真っすぐ伸ばした状態から可能な限りでよいので足を高く上げる。この時、逆の足(地面についている足)のひざは曲げないことが大切。股関節が広く開くようになると自然とストライド(歩幅)を伸ばしやすくなり、効率よく前へ進めるようになる。

足を高く振り上げると背中が反り過ぎてしまうこともある。ならば、手を前方に出して、そこにつま先を当ててみよう。ただ、背中を丸めてはいけない。背すじをしっかりと伸ばして行うことが大切。

Training13 片足バランスを養う
走るという動作は、片足ジャンプを連続して行うことである。つまりは片足でしっかりとバランスよく立てないと速く走ることができないのだ。左右に腕を広げて片足で30秒間、バランスを崩さずに立ってみる。左と右を交互に行い、それができたら上げている側の足を開いてみよう。股関節を柔軟にする効果もある。

ヒザを曲げたり、背中を丸めてしまうとカラダが揺れてしまう。背すじを伸ばして、視線を正面に真っすぐに向け、腹部にわずかに力を込めるとバランスが取りやすい。

Training14 足の動きを速くするミニハードル越え
女子100㍍と200㍍走の日本記録保持者である福島千里選手は、ミニハードル越えの練習を多く行っている。短い間隔にミニハードルを並べて、素早く足を動かすのだ。このトレーニングを繰り返す中で、彼女は、とてつもなく速く、かつ地面への着地を正確に、足を動かせるようになった。

単に足を速く動かそうとすると、下半身に意識がいってしまい、背中が丸まることが多い。背すじを伸ばした正しい姿勢で行い、しっかりと真上から足を下ろし、地面を正確に踏もう。

Training15 目印を置き、カラダを乗り込ませる
走るとは、スピードをともなって前へ前へとカラダを運ぶ動きである。安定感を求めて足だけ動かしていても速くは走れない。カラダ全体を前へ乗り込ませるクセをつけよう。走る方向に沿ってカラーコーンを並べて、その目印を意識して走ってみる。何も目印のない場所を走る時とは違って、前へ前へとカラダが導かれていく感覚を味わうことができる。また、カラーコーンは足を接地させる位置に合わせて並べよう。ただ並べて走るだけでは目印にならず効果的なトレーニングにならない。

目印に向かってカラダを乗り込ませていく練習を繰り返し行うことで、積極的に前へ進むフォームが身につく。このクセをつけると、目印がなくても、効率よく前へ前へとカラダを進められるようになる。

Training15+1 音楽に合わせて走ってみよう
リズム感が良い、リズム感が悪い・・・そんな風に言われる。だから、「自分はリズム感が悪い」と思い込んでいる人も少なくない。しかし、実際には、誰もが自分の動きのリズムを持っているのだから、それに合う合わないだけのことで、「リズム感が悪い」人は存在しない。音楽を流して、それに合わせて走ってみよう。はずかしがってはいけない。カラダを大きく動かすことが大切だ。

ヒップポップなどビートの効いたアップテンポな曲に合わせて走ろう。

Training15+2 速い選手の動きをまねてみる
野球、サッカー、バスケットボールなどの競技でも同じだが、上手な選手の動きをまねてみるは、ひとつの上達方法である。それは、走りかにおいても同じで、速い人のカラダの動きをしっかりと見てみよう。速く走る方法は、ひとつではない。だから、速く走れる人の動きをまねれば、必ず自分も速く走れるというわけではないが、まねた動きが自分にマッチしたならば、速く走るための大きなヒントをカラダでつかめるはずだ。

大切なのは「気づく」ことである。「あっ!これか」と思えた時、カラダの動きが変わっている。理屈の前に、カラダが自分に合った良い動きを理解することが、もっとも望ましい。

何かを覚えようとする時に、すぐにできてしまう人と、できるまでに時間がかかってしまう人がいます。でも、そのことは何の問題もありません。成長は人と競い合うものではないのです。時間がかかる時は、焦らずに時間をかけてやり遂げればよいのです。少しずつでいい。「昨日よりも今日、今日よりも明日・・・」少しずつ自分が成長していくことに意義と喜びを感じることこそが大切なのです。「継続は力なり」そう考えることができた時、あなたはすでに、大きな能力を身につけています。

近藤隆夫 キミはもっと速く走れる!①②③より

陸上競技 作成中 完成日数年後

powered by Quick Homepage Maker 5.1
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional